こだわりのさぬきうどん 四国 香川 坂出 : 創業昭和5年
かつては、小麦粉を仕入れて麺を製造し、うどんだけではなく蕎麦、中華そばなどの「ゆでたもの」食堂、学校給食、社員食堂、病院給食、八百屋、旅館ホテルを中心に配達しているところがほとんどでした。
食べることのできる製麺所は本当にごくわずかで少なかったです。
当時は保健所の目が厳しくて製造卸をしている場で、お客さんが帽子もかぶらず、土足のままで入ってくるような製造現場では病院、小中学校給食などは許可していただけませんでした。
なので、製麺所の場所も奥いった所にもあるにも関わらず看板もなく近所の知っている人が買いに来るだけで、本当に隠れ里のようなところが多かったのです。
20年ほど前から、ホテルとか食堂とかのお得意さんが冷凍麺の普及により、「ゆで麺」の需要が激減して製麺所を廃業するところが増え、続いて、製麺所で食べることができるところが増えたり、昔からやっていたところが注目されるようになってきました。
そのような背景が見え隠れする、製麺所という業界がやっていけるかどうかと言うときに「さぬきうどんブーム」が起こりました。
当時、日の出製麺所も食べることはできなかったのですが「ここで食べさせて欲しい!」と言うお客さんが毎週土日のたび来るようになりましたが
「うちは卸が本業やし具もダシもないけん!」
とお断りしていました。
とはいえ、いつまでも断り続けることに違和感を抱きだしたころ、どうしてもここで食べさせてくれと言う青年が訪れ、断っても断ってもあきらめないので、とうとう召し上がっていただくことになり、その青年がうちで約40年ぶりに店頭で食べてもらったお客さんでした。
それから、近所の知っている人だけが食べに来てくれていたのですが、だんだん増え、ある日、ネギとショウガを持ってきてくれたお客さんが他のお客さんに「どうぞ!」と言って自分の持ってきたねぎとショウガを他のお客さんに配っているのを見て!!!
「しまった!!!」
今まで、私は食べさせてあげていると思いあがっていました!!!
思いっきり頭を殴られたような衝動に駆られました。
食べに来ていただいているんや!!
うちがネギやショウガを用意せなあかんやん!!
それまで、うどん玉だけをどんぶりに入れて出してあげて、ダシと醤油は店頭に売っている袋入りのものを自由にお使いくださいと言って、本当にうどんと袋入りのダシだけで食べてもらっていました。
そうこうしていると近くのうどん屋さんが
「うち、もうやめるから、もしよかったら、この机と椅子を使って!」
と言って、机と椅子を何セットもくれたりしました。
また、
「このどんぶりきれいやろ、つかいまい!(このどんぶりきれいだから、あげるよ!の意)」
「ネギがようけ(たくさん、の意)採れたけん、もって来たで!」
本当に周りの人にお世話になりながら、「製麺所」から「お店」にして頂いたと思います。
話が、遠回りしてしまいましたが、一昔前まで香川県では、製麺所は小麦粉を仕入れ、麺類を製造し、ゆでたうどん、そば、中華めんなどを配達して卸をしているところを指しました。
中華麺はゆで時間が少ないため、生めんで卸すところが増えましたが、社食には中華麺でも未だに茹でて配達しています。
最近では新たに商売をはじめるうどん屋さんが○○製麺所と名前をつけるところが出てきています。
製麺所という業種は時代とともに減少しつつありますが、製麺所というう名前は残っていきそうです。